日本版ボードゲーム あやつり人形(Citadels) には、 テキストだけ読むと意味が伝わりにくい建物カード がいくつかあります。
その代表例が 「石切り場」 です。
この記事では、 石切り場の効果が「何を例外的に可能にしているカードなのか」 を、ルール前提から整理して解説します。
石切り場のカードテキスト

日本語版の石切り場には、次のように書かれています。
Note
あなたは自分が保有しているのと同じ名前の建物カードを建設することができる
この文章、初見だとかなり分かりにくいです。
- そもそも何が「できない」のか?
- なぜわざわざ書いてあるのか?
という疑問が出やすいポイントです。
まず大前提:通常ルールでは「同名建物」は建てられない
あやつり人形の基本ルールでは、
👉 すでに自分の都市にある建物と、同じ名前の建物は建設できない
という制限があります。
例:
- すでに「市場」を建てている → 2つ目の「市場」は 建設不可
- 「酒場」を持っている → もう1枚「酒場」があっても 使えない
これはゲームバランス上の重要な基本ルールです。
石切り場は、その「例外」を作るカード
石切り場の効果を、ルール前提込みで言い換えるとこうなります。
👉 本来は禁止されている「同じ名前の建物の再建設」を、可能にする建物
つまり、
- 石切り場がない場合 → 同名建物は建てられない
- 石切り場がある場合 → すでに建てている建物と同じ名前でも、建設できる (もちろん、コストを払う必要はある)
ということです。
重複した建物を建設できないというルールはガイドブックに小さく書いてあるので、初めて遊ぶ方は気づきにくいかもしれません。
具体例で見ると分かりやすい
例1:石切り場がない場合
自分の都市:
- 市場
手札:
- 市場
👉 建設できない(通常ルール)
例2:石切り場がある場合
自分の都市:
- 市場
- 石切り場
手札:
- 市場
👉 建設できる (市場を2つ持てる)
よくある誤解ポイント
「石切り場を2つ建てられる?」
→ ❌ 不可
石切り場自身も「建物」なので、
- 石切り場を1つ建てた状態で
- 2つ目の石切り場を建てることはできません
(石切り場が“先に必要”なので、自己増殖はしません)
「他人が持っている建物と同名でもOK?」
→ ✅ もともとOK
制限があるのは 自分の都市内だけ です。 他プレイヤーが何を建てていようと関係ありません。
なぜこんなカードがあるのか?
石切り場は、
- 高得点建物を複数並べたい
- 建物効果の重複を狙いたい
- 建築コストと得点効率を上げたい
といった 中〜上級者向けの戦略カード です。
特に拡張込みのゲームでは、 「同名建物禁止」という制限をどう突破するかが 重要なテーマになるため、そのための明確な例外として存在します。
まとめ
石切り場は、通常ルールでは禁止されている 「すでに自分が建てた建物と同じ名前の建物」を 例外的に建設できるようにする建物です。

